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seize an opportunity






最初はどうなることかと思ったけど、なんか結局ちゃんと枕は返せたし、王城の主要メンバーともお近づきになれたし良かったー!泥門デビルバッツのマネージャーだってこともきちんと言えたし…べつに言わなくったって怒られるわけじゃないし、だめってわけじゃないけどやっぱりなんか隠し事してるみたいでいやだもんね。とりあえず!後はこのまま学校に戻るだけ……ってあれ?あの路地みたいなとこに入っていくのは…


「かず…き…?」


それに浩二と庄三も…どうしたんだろう?今日も部活はあるはずだろうし、っていうかあるってまも姉がいってたし…その前にヒル魔さんから逃げられる訳が……―!!


「まさ、か」


あの3人の後ろに続いて路地に入ってく、おっきなガタイの2人と小さく見えるひと1人。もし、かして…あれは太陽スフィンクスの番場さんと笠松さんと原尾さん…!ってことは、


「…っ!まっずい…っ!!」


そういえば今日ヒル魔さんたちが試合の件で月刊アメフト編集部に行くって言ってた…!なんで気付かなかったんだろ!その日、ヒル魔さんがいないからって一輝たち練習さぼって写真のネガ探し始めちゃって、大吉と喧嘩になってそれで退部するって帰っちゃったんだ…!その後ファミレスであった原尾さんたちの話聞いて怒って喧嘩ふっかけて…、10秒、で、やられちゃうんだ…!どうしよう、止めなきゃ…っ!走れ走れ走れ…っ!もっと早く、じゃないと…―!みんなの姿が見えなくなってもう10秒立っちゃうよ…っ!あと少し…っ!―…っ!!一輝…っ!!番場さんの振り上げた拳と一輝が見えて、気がついたら一輝と番場さんの間に立ってた。


「「「?!!」」」
「―きゃ…っ!!」
「?!なっ…っ!」


ガツンという痛みのあと体が宙に浮く感覚がしたすぐ後ドンッと地面に体が叩きつけられるような痛みが体中に走った。…いったぁ…っ!


「―…つぅっ…っ!」
「―っ!っ…クッ…ソ…!!」
「なんだその女は。それにしても…懲りん奴よ。本物のブロッカーというものを教えてやれ。」
「(ブロッカー……!?)…っ手の底でワキを…!」
「!」
「しーししし!!」


頑張れ一輝…っ!…一瞬だけど、番場さんが驚いた顔してた。笠松さんの笑い声にちょっと…いやかなり腹が立ったけど…やった、これで、みんな戻って、くる。デビルバッツがまたクリスマスボウルに一歩近づく…。そんなこと考えてる間に番場さんたちの姿が小さくなっていく…って、みんな!


「惨めだな俺ら」
「……うるせェ」
「一輝っ!浩二っ!庄三っ!!」
「「「!!!っ!」」」
「大丈夫?!3人ともけがだらけ…っ!」


ぱたぱた駆け寄ってよくよく見てみれば…やっぱりけが、だらけ…。いたる所から血は出てるし青アザだらけだしぼろぼろ。ほんとに…


「もう…ばかっ!」
「「「はぁ?!」」」
「こんなけがして…っ、試合出られなくなったらどうすんのこのばかちんどもっ!」


もう…誰かがかけちゃうなんて、やだよ。厳さんみたいに、みんないっちゃやだよ。絶対に行かないって保証は多分どこにもない…。


「…悪かった」
「…へ?」
「もうこんなことしねぇーつってんだよ!」
「こう、じ…」
「真面目に練習やってみちゃうか」
「しょうぞう…」
「負けっぱなしは趣味じゃねぇからな」
「かずき…っ!」


みんな、ほんとよかった…。けがしたことも、練習さぼっちゃったことも良いことじゃないけど、でも、雨降って地固まるって感じ?


「悪ぃ…」
「え?」
「お前に怪我させちまったな、」


困ったような、悔しそうな顔で一輝が言う。そんな、顔しないでよ、一輝。


「こっれくらい一輝たちの怪我に比べたらへっちゃらだよ!」


にっと笑っていうとまた「悪ぃ、」という一輝。だからもーっ!


「そんな謝るんだったらおんぶして帰ってよ!」
「ハ?」
「はぁ!?」
「はぁあぁ!!?」
「おっ!でたハァハァ3兄弟!」
「「「兄弟じゃねぇーっつーの!」」」
「…ぷっ、」
「「「「あはははは…っ!!」」」」


あまりのかぶり様に吹き出しちゃったら、3人も一緒に笑いだした。裏路地でぼろぼろな高校生たちが大笑いしてるなんて誰かに見られたら完全に変態だと思われるだろうなー…!でも、それでもいいや。だってそれくらい楽しい。


「じゃ、」
「帰りますか?」
「あぁ」
「さんせーっ」
「ジャンプ読まねぇと」
「もーっ!練習でしょ!庄三っ」




***




「教えてくれ」



「どうしたらライン戦で勝てる?負けっぱなしは趣味じゃねぇんだ!」


ベンチプレスに特訓の効果が目に見えるようにわかった後、一輝がそう話す。真剣な眼差し…さっきばか笑いしてたときとは大違いだなぁ…当たり前、だけどさ!


「う、うん…っ!じゃあさっそ「すとーっぷ!」
「「「?!!っ?!」」」
「そのまえに怪我の手当てしないと!」
「「「いやいやお前もだから」」」


呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃじゃーんっ!って感じに、一輝のさっきのセリフを聞いてから登場しました。(それまで入り口の壁に隠れてた)なぜかっていうと…ねぇ…?


「っ!!どうしたのよその怪我?!!」
「ちょっと転んじゃって…」
「それは無理があ「浩二っ!」
「こんな…顔に大きな怪我しちゃって、痕にでもなったら…「わたしのことはいいからさっ!先に一樹たちの治療が優先っ!」
「でも…っ」
「いいからいいから!早く、ほらっ!一輝たちもこっちにくる!」




***




「はいっ、しゅーりょーっ!」


見事に一輝たちはガーゼやら絆創膏だらけになっちゃったねー…でもばい菌入っちゃ危ないしね!(場所も不衛生ぽかったし…)とりあえず今日は残りをこれで過ごしてもらいましょう!


「」
「さーてそれじゃあみなさん「、」
「…なんでしょうかまもりねーさま」
「ここに座って」
「ほんとにわたしはだいじょ「座りなさい」
「…はい、」


怖いなまも姉…!というか美人を怒らしちゃいけないよ、うん。よくわかりましたいま。しぶしぶまも姉の前に座るとじーっと傷をまも姉が見てる。そんなに大きい傷できちゃったのかなぁー…?でもセナもモン太も驚いてたみたいだったからやっぱりそんなすごい傷だったんだろうか…うわぁー…見たいような見たくないような…ただでさえよくない面に傷なんかついちゃった日にゃちゃんお嫁にいけませんよ。


「どうしてこんな…」
「いや、ほんと全然だいじょうぶ…っ?!」
「?!」


だいじょうぶってとこをお腹を叩きながらアピールしようとしたら激痛が…っ!


「ちょっとごめんね」
「まっ、まも姉?!」


ゆっくりとまも姉が手を伸ばして何するかと思ったらわたしの服を捲りまじめた…?!な、なにするきですか?!…っていうかみんないるんですけど恥ずかしいよーっ!


「…やっぱり」
「う、わ…っ」


そんなこと考えたら、さらに眉間に皺を寄せたまも姉が見えて、思わずって感じでもらしたセナの声が聞こえた。見てみるとみんな顔赤いんですけど…!じゃあ見るなよってか赤くなるのか痛そうな顔するのかどっちかにしてよっ…て、痛そう?


「、見てみて」
「…き、きゃー…」


見事なまでに内出血しちゃってるわたしのお腹。そりゃ痛いよ…なんか見るからに「殴られました!」って感じが…気のせい‥だよ、ね…?ちょっと青アザおっきいなぁ…体質だよねこういうのって。というか殴られなれというか、そうゆうのになれてないからってのもあると思うけど。


「これは日薬しかないから…どうしようもないわね…」
「オイこらテメェらっ!!いつまでベンチプレスやって……なにやってんだ?」
「ひっ、ヒル魔さん…っ!」


ぎゃーっ!最も傷見られたくないひとナンバーワンなんですが…っ!!声でもしかして…と思ったらセナの声で確信がもてた…。どうしよう、すっごい逃げたいけど入り口にヒル魔さんがいる時点で逃げられないし、仮に俯きながらダッシュで通れたとしても…このひとがいる時点で逃げるということがアウトでした。


「ヒル魔くん」
「糞マネにそんな趣味があったとはなー?」
「違いますっ!ちょっと傷を見てたのよ」
「傷?」


…あーあ言っちゃったよまも姉…絶対笑われるよ…やだなぁもう…。こつこつこつ、ってこっちに向かってくる歩く足音が聞こえる。き、きた…っ!思わずやっぱり顔を俯けちゃっ、た。…ってまってまってお腹見られるのも嫌なんだけど…!(まも姉なに考えてるの?!!)


「ここ、」
「…‥んだこの傷は」
「それは「転んだんです」
「…は?」
「ちょっとつまづいちゃって、それで…」


一輝がきっと訳を話そうとしてくれたんだろうけど、それを遮った。だって、ほんとのこと言っちゃったら一輝たちのこともばれちゃうもん。きっとそれは一輝たちだって嫌、なはず。だから、顔は下に向けたまま横を向いて一樹に向かって見えるように指をたてて「しーっ」とやった。何か言おうとしたみたいだったけど、チッと舌打ちしながらなにも言わないで言てくれた。…あと、はこの悪魔様の反応だな…!笑うなら笑えこのやろー…!!


「糞チビマネ、」
「…はい」
「顔あげろ」
「…」
「あーげーろ、」
「いや、で…」


いやですって言おうとした瞬間、顎を掴まれる感覚がしてすぐ眩しい蛍光灯の光が目に入る。無理やり上を向かされ、て…っ!


「!」


一瞬目を見開いて、た?笑われる…!と思ってたんだけどなんか逆に怒って…る?いやヒル魔さんに怒られるくらいなら涙出るほど笑われるほうがまだましなんですけど…‥って、え?!


「ちょ、ヒル魔さん?!どこ行「すぐ行くからテメェらはグラウンド出とけ」
「ヒル魔くん!をどこに連れてく気っ?!」
「あと糞長男は残っとけ」
「あ、あのヒル魔さ「うっせぇ!さっさと動きやがれこの糞野郎共っ!」


ダラララララとヒル魔さんの銃が火を噴く。さすがみんなの行動早いなー…。っていうかわたしはどうしたらいいんでしょうか。さっきヒル魔さんがぐっとわたしの腕を掴んで
無理やり引っ張て立たせてそのまま…と思ったらその手が離れた。


「お前は部室行ってろ」
「…‥っ、は、い」


有無を言わせぬ雰囲気、ってこういうことを言うんだ、きっと。(逆らう気ももともとないけど…!)とりあえず部室に行っとこう。








(あからさまに分かる嘘) 













(080624)